患者様が住み慣れたご自宅で、少しでも長く生活が出来るためには、在宅医療の充実が不可欠です。
このたび当診療所は「在宅療養支援診療所」の認可を受け、定期的に患者様のもとを訪問して診察を行う、訪問診療を開始しました。患者様の容態に応じて、月々の計画的訪問の回数を決め、ご自宅で診察や処置、点滴や血液検査なども行います。体調の変化などがあれば、24時間365日医師が電話にて対応し、必要に応じて臨時でご自宅を訪問する「往診」や、連携している近隣の医療機関への入院の手配を行います。ケアマネージャー、訪問看護ステーション、訪問介護と連携して、安心してご自宅で過ごせるよう、お手伝いいたします。
医学の目覚ましい進歩の一方で、治療を行ったにも関わらず病気が進行してしまった方や、年齢や全身状態、あるいは副作用などのために治療を受けることが難しい方も沢山いらっしゃいます。癌治療の専門医としての経験を活かし、病気が進行してしまった患者様に対しても、できるかぎり苦痛を和らげるための緩和医療を行い、尊厳を持ってご自宅で日常生活を送れるよう、お手伝いしていきたいと考えております。
自らが望む人生の最終段階における医療・ケアについて、前もって考え、医療・ケアチーム等と繰り返し話し合い共有する取組を「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」と呼びます。患者様やご家族とアドバンス・ケア・プランニングを積み重ねながら、少しでも実りある時間を送ることができるよう、力を尽くしていきたい所存です。
在宅医療の対象となる患者様
- 高齢や身体機能、認知機能の低下のため、医療機関への通院が困難な方
- 病院から退院し、ご自宅で療養される方
- 癌や悪性腫瘍などの終末期にあり、ご自宅で最期を迎えたいと考えられている方
在宅療養を円滑に行うためには、医師以外に訪問看護師や介護スタッフなど、多職種の介入と連携が不可欠です。在宅医療を始めるまでに、まずは要介護(または要支援)の申請を行い、ケアプランの作成などを行うケアマネージャーの選定を行うことをお勧めいたします。
※まずは、当医院にかかりつけの患者様から、優先的に訪問診療を提供してまいります。
訪問診療のご利用方法
①まず、当院にお電話ください。(Tel: 072-757-3051)
- ご自宅で療養中の方は、当院に直接お電話いただくか、ケアマネージャーや訪問看護師にご相談下さい。
- 入院中の方は、主治医の先生か、病院の地域連携室にご相談下さい。入院先病院にて、「退院前カンファレンス」を行うことも有ります。
- ご家族などの関係者の代表となる方(キーパーソン)をおひとり決めておいてください。
②電話にて面談の日時を決定し、患者様やご家族(キーパーソン)の方に来院して頂き、面談にて診療内容の説明を行います。ご家族(キーパーソン)の方のみの来院でも構いません。患者様、ご家族の希望を伺い、診療計画を立てます
- 面談の際は、保険証(健康保険証、介護保険証、介護保険負担割合証、医療受給者証、限度額適応認定書など、各自がお持ちの「保険証など」や身体障害者手帳などをご持参ください。
- 入院中の患者様は、現在おかかりの医療機関より「紹介状」をご用意いただき、ご持参ください。
③訪問診療の同意をいただいた後、患者様のもとに医師が初回の訪問を行います。在宅療養計画書を作成し、病状に応じた定期的な訪問診療を開始します。
訪問診療の費用について
訪問診療は医療保険、高額療養費制度が適応され、費用は患者の年齢、負担割合、訪問回数などにより異なります。たとえば医師が月2回訪問診療を行った場合の1か月の負担金額は、1割負担の方で約6,000円(2020年8月現在)ですが、薬は院外処方にて、薬剤費は別途必要になります。その他、検査や処置、点滴を行った場合や、追加で往診を行った場合なども、別途費用が発生します。